家賃8万円の場合、「1年間の住居費は約100万円・35年間の住居費は約3500万円」で大きな額ですよね。
家賃8万円を支払い続けることを考える際に、賃貸・マイホームどちらがもったいないと感じるかは、ご家族のライフスタイル・価値観によって変わります。
そこで今回は、山梨・甲府で多くのご家族のマイホームづくりをサポートしてきた『入沢工務店』が、賃貸・マイホームどちらを選ぶかを判断する際に役立つ以下の情報を、わかりやすくお伝えします。
このコラムのポイント |
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●住居費・暮らしの自由度・快適性など、賃貸・マイホームの違いがわかりやすい項目をピックアップして紹介します。
●賃貸・マイホームどちらにも向き・不向きがあるため、賃貸・マイホームそれぞれで実現できるライフスタイルも紹介します。 ●「収入に対する適正な家賃」、「マイホームを建てられる年収」など、長期的な視点で住居費を考える際に役立つ、お金に関する情報を紹介します。 |
ご家族が経済的に無理なく、理想のライフスタイルを実現できる家を選択するために、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
家賃8万の賃貸・マイホームもったいないのはどちら
はじめに、賃貸・マイホームの違いがわかりやすい項目をピックアップして紹介します。
- 初期費用|賃貸のほうが抑えられる
- 毎月の住居費|賃貸・マイホームどちらも調整可能
- 毎月の生活費|マイホームは調整しやすい
- 立地|賃貸のほうが好立地を選びやすい
- 暮らし・間取りの自由度|マイホームのほうが高い
- 快適性|マイホームは調整できる
- 資産価値・住居確保の安心感|マイホームのほうが高い
- 可変性|マイホームのほうが高い
冒頭でお伝えしたとおり、どちらがもったいないかはご家族のライフスタイル・価値観などに応じて判断が分かれるため、具体的にどのような違いがあるのかを、一緒に確認しましょう。
初期費用|賃貸のほうが抑えられる
賃貸は、マイホームと比較して圧倒的に初期費用を抑えられます。
家賃8万円の賃貸住宅を選ぶ場合、初期費用は28〜60万円が相場で、内訳は以下のとおりです。(引越し費用・家具購入費用などは含めずに紹介します)
費用項目 | 相場 |
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敷金・礼金(0〜3ヶ月ほど) | 0〜24万円 |
入居月の家賃 | 〜8万円 |
前家賃 | 8万円 |
仲介手数料 | 8万円 |
保証料 | 2〜8万円 |
火災保険料 | 1〜2万円 |
鍵交換費用 | 1〜2万円 |
合計 | 28〜60万円 |
一方で、例として住宅ローンを利用して3,500万円のマイホームを建てる場合、フルローン※を選択しても現金支出が必要な諸費用があります。
※フルローンとは、頭金なしの住宅ローンです。
諸費用の相場は8〜15%ですので、【3,500万円×8〜15%=280〜525万円】ほどの初期費用が必要と考えておきましょう。
【諸費用の例】
- 土地購入時の手付金
- 登記費用
- 火災保険料 など
毎月の住居費|賃貸・マイホームどちらも当初は調整可能
毎月の住居費は、当初は「賃貸:予算内の物件を選択する」「マイホーム:予算内の住宅ローンを組み立てる」ことで調整可能です。
ただし、将来的には賃貸・マイホームともに、以下のリスクがあることを念頭に置いておきましょう。
- 賃貸:家賃・管理費・駐車場代が値上げとなる可能性がある
- マイホーム:35年固定金利を選択する以外は、住宅ローン金利が上昇する可能性がある
賃貸・マイホームともに将来の住居費負担をご自身で完全にコントロールするのが難しいため、将来的にどちらの選択がもったいない状況になるかは判断が難しいところです。
ただし家賃は値上げ通知に対して交渉できるものの、希望が叶わず予算オーバーの家賃となる場合には、住み替えの検討が必要ですよね。
住宅ローンは、「借入期間の調整・繰り上げ返済・借り換え」などで住み替えをせずに毎月の支払額を調整できる可能性があるため、調整の自由度が少し高いと捉えることも可能です。
維持費用|賃貸のほうが抑えられる
賃貸物件の主な維持費用は更新料で、相場は「2年ごとに家賃1〜2ヶ月分」ほどです。(家賃8万円の場合、2年毎に8〜16万円が相場)
一方で、マイホームの主な維持費用は以下のとおりで、1年ごとに換算すると30〜50万円/年ほどが相場です。
- 固定資産税:毎年4回に分けて支払い(一括払いも可能)
- リフォーム費用:10年前後を目安に発生(マイホームの状態によって費用・内容が違う)
- 火災保険料:支払いは、主に毎月・1年ごと・5年ごと・10年ごとから選べる
毎月の生活費|マイホームは調整しやすい
マイホームを建てる場合には住宅性能・住宅設備を選べるため、以下のような費用を計画的に調整可能です。
- 電気代:高気密・高断熱性能により、冷暖房効率が良くなり電気代を抑えられる
- 水道代:省エネ性能の高い水回り設備を導入することで、水道代を抑えられる
上記以外の生活費については、賃貸・マイホームともに日々の工夫で生活費を調整する必要があります。
立地|賃貸のほうが好立地を選びやすい
不動産情報サイトなどで賃貸物件・土地物件の数を比較すると、賃貸物件のほうが圧倒的に多く、好立地の割合も高いのが一般的です。
マイホームの場合は土地物件選びから始める必要がありますが、好立地で条件が良い土地ほど短期間で買い手がつくため、条件に合う土地が見つかりづらい場合もあります。
マイホームを検討中で立地の優先順位が高い場合には、マンションも選択肢に入れることをおすすめします。
こちらの記事で、住む場所を決める際のポイントを確認できます。
▷関連コラム:【マイホーム新築】エリア・土地選びのポイントを分かりやすく解説
ライフスタイル・間取りの自由度|マイホームのほうが高い
マイホームは、賃貸では実現が難しい好みのデザイン・以下のようなライフスタイルを実現しやすい点が魅力です。
- ペットの多頭飼い
- ガーデニング
- 楽器演奏 など
またマイホームは、ご家族の使い勝手に合わせて家事をしやすいスペース・収納スペースなどを取り入れられます。
(例)手洗いスペースのある室内土間
(施工事例:山梨県甲州市新築注文住宅|おしゃれなキューブ型の家 ZERO-CUBE)
(例)リビング直結のシューズクローゼット
(施工事例:山梨県中央市新築注文住宅|チェックハウス片流れ屋根施工事例 CHECKHOUSE)
(例)天候・時間帯を気にせずに洗濯作業可能なランドリールーム
(施工事例:山梨県甲府市注文住宅|グレー外観のシンプルでおしゃれな平屋 CHECKHOUSE)
こちらの記事で、ランドリールームをマイホームの間取りに取り入れる際のポイントを確認できます。
▷関連コラム:ランドリールームっている?いらない?後悔しないためのポイントを詳しく解説
山梨・甲府の入沢工務店には、今回紹介しきれなかった事例がまだたくさんあります。ぜひご覧ください。
快適性|マイホームは調整できる
マイホームは、建築時に住宅性能を整えることで、室内の快適性を調整可能です。
- 室温:高気密・高断熱のマイホームは1年を通して家中を快適な温度にキープしやすく、結露が発生しづらい
- 湿気:換気設備の選択、給気口・排気口の適切な設置によって、湿気が滞留しづらく清潔な室内環境を保ちやすくなる
- 防犯性:住宅形状・間取り・周辺環境に応じて自由に防犯対策が可能 など
賃貸物件も家電製品などで快適性を調整できますが、家電製品が増えるほど電気代などのコストが必要で、居住スペースも圧迫される点がネックです。
資産価値・住居確保の安心感|マイホームのほうが高い
マイホームは、住宅ローン完済後にご自身の資産となります。
築年数に応じて建物の価値は減少していき、土地の価値は変動しますが、「住居を失わない」という安心感がありますよね。
一方で賃貸物件は、適正に家賃を払っていても資産にはならず、所有者の都合で退去を求められるケースもあります。
可変性|マイホームのほうが高い
マイホームは、建築基準法の範囲内であれば自由にリフォーム可能です。
【リフォームの例】
- ライフスタイルの変化に応じた間取り変更
- 世帯人数・ご家族構成変更に応じた増築・減築
- 内装・外装のデザイン変更 など
賃貸物件は、一般的に入居時の状態を変更することは禁止されていて、所有者の許可を得ずに変更した場合、退去時に原状回復を求められることもあります。
賃貸・マイホームの違いを紹介してきました。
項目ごとに、ご家族にとってメリット・デメリットどちらも感じたのではないでしょうか。
次に、賃貸・マイホームのメリット・デメリット、賃貸に向いている方・マイホームに向いている方をまとめて紹介するので、改めてご確認ください。
山梨・甲府で「家賃8万円を払っているならマイホームを建てられる?」と疑問をお持ちの方は、入沢工務店へお問い合わせください。
ご家族のご予算・要望を丁寧に伺い、経済的に無理のない&長く愛着を持って暮らせるプランを提案いたします。
賃貸・マイホームのメリット・デメリットを比較
賃貸・マイホームどちらにもメリット・デメリットがあるため、家賃を長く払い続けることを決める前に、ご家族にとってどちらが最適な選択なのかをよく検討することが大切です。
メリット
賃貸・マイホームのメリットは、以下のとおりです。
賃貸 | マイホーム |
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●初期費用・維持費用を抑えられる ●好立地の選択肢が多い ●住宅・設備をリフォームする際に自己負担がない ●住み替えの判断をしやすい ●お勤め先の福利厚生制度によって、家賃補助を受け取れるケースがある |
●住宅性能・デザイン・間取りを自由に決められる ●マイホームの使い方が自由 ●住宅ローン完済後に建物・土地が資産となる ●自由にリフォーム可能 ●補助金・減税制度を活用できる可能性がある |
デメリット
賃貸・マイホームのデメリットは、以下のとおりです。
賃貸 | マイホーム |
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●家賃を払い続けても資産にならない ●住宅性能・設備・間取り・デザインを自由に決められない ●ライフスタイル・ご家族構成の変化などに応じてリフォームできない |
●初期費用・維持費用が高い ●条件に合致する好立地の土地探しが難しい場合がある |
マイホームを建てる場合の最大のデメリットは初期費用・維持費用ですが、減税制度・補助金などの活用で、費用負担を抑えることが可能です。
【減税制度】
- 住宅ローン控除
- 固定資産税の減額措置
- 不動産取得税の軽減措置 など
【補助金】
- 省エネ性能の高い住宅を新築する際に活用できる補助金
- 長期的に優良な状態で維持できる住宅を新築する際に活用できる補助金
- リフォームで省エネ性能向上などを実施する際に活用できる補助金 など
【その他】
- 省エネ性能の高い住宅に対する住宅ローン金利引下げ
- 耐震性能の高い住宅に対する地震保険割引 など
こちらの記事で、山梨で注文住宅を建てる際に活用できる補助金を確認できます。
▷関連コラム:山梨で注文住宅を建てる|相場・補助金や格安で家を建てる方法・イベント紹介
賃貸に向いている方
賃貸のメリット・デメリットから、以下のような方は賃貸での暮らしの満足度が高い可能性があります。
- 一度に大きな支出をすることに抵抗を感じる
- 暮らしの中で立地の優先度が高い
- 転勤・移住など、移動の可能性があり、住む場所を定めたくない
- 将来のご家族構成・世帯人数・ライフスタイルなどの変化を今は具体的に想定しづらい
マイホームに向いている方
一方で、以下のような方は、マイホームでの暮らしの満足度が高い可能性があります。
- 住宅性能・デザイン・間取りなどを自由に決めたい
- 実現したいライフスタイルがあり、マイホームのプランを具体的にイメージできる
- 「建物・土地を次世代に引き継ぎたい」「将来的は建物・土地を売却などして、その資金を元手にした住み替えなどを想定している」
- DIYで手を加えながら暮らしたい
- 庭・駐車場・趣味の道具置き場など、賃貸物件にはあまりないスペースを確保したい
ご家族1人1人が、長期にわたって充実した生活を送れる選択をしていただけると幸いです。
手取り収入に対する家賃の割合
賃貸・マイホームを比較してきましたが、ここで「そもそも手取り収入と家賃はどのくらいのバランスが適正?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2023年に国が実施した「家計調査」によると、収入に対する家賃(住居関連費)の割合は約15%です。
項目 |
平均額 | |
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収入 | 347,200円 | |
住居関連費用 (合計 52,382円) |
住居費 | 23,187円 |
家賃地代 | 17,178円 | |
設備修繕・維持 | 6,008円 | |
設備材料 | 2,051円 | |
工事その他のサービス | 3,958円 |
〈引用〉政府統計の総合窓口(e-Stat)家計調査1−1総世帯(2023年)
上記の家計調査には家賃支払いが無い方のデータも含まれているため、収入に対する家賃の割合が低い印象です。
一般的には「収入に対する家賃の割合は30%以下が目安」という情報をよく目にしますが、近年は生活全般の物価が上昇しているため、実際には収入に対する家賃の割合を15〜20%台にすると、無理のないバランスを実現しやすくなります。
家を買える年収|住宅ローン総額・月額など
最後に、住宅ローンの平均額も確認しましょう。
多くの方が利用してる「フラット35」の利用者調結果(土地付き注文住宅)を紹介します。
項目 | 平均額 |
---|---|
世帯年収 | 704.1万円 |
住宅ローン総額 | 4,948.4万円 |
住宅ローン返済月額 | 14.3万円 |
年収倍率 (年収に対する住宅ローン総額の倍率) |
7.6倍 |
総返済負担割合 (収入に対する返済額の割合) |
26.4% |
〈引用〉住宅金融支援機構ホームページ『フラット35利用者調査』2023年度調査結果20ページ
上記は首都圏等の極端に高額な利用データも含まれているため、住宅ローン総額・住宅ローン返済月額を見ると「家賃8万円を住宅ローンに当ててもマイホームを買えない」という印象を受けますが、実際は地域・施工業者などによって住宅価格は大きく変動します。
そのため、「家賃8万円を毎月支払うのはもったいない」と感じる場合には、お近くの工務店等に資金計画の相談などを依頼してみることをおすすめします。
山梨・甲府で「賃貸・マイホームどちらがいいの?」とお悩みの方は、入沢工務店へお問い合わせください。
ご家族の幸せな暮らしのサポーターとして、資金計画の段階から丁寧にご要望を承ります。
まとめ
家賃が8万円の場合に、賃貸・マイホームどちらがもったいないかを判断するために役立つ情報をお伝えしてきました。
賃貸・マイホームどちらが向いているかは、ご家族のライフスタイル・価値観・現状などに応じて判断が分かれます。
今回紹介した情報を、長期的な視点で住居費の計画をたてる際の参考にしていただけると幸いです。