土間収納は、屋外と室内の中間的な使い方ができる便利なスペースです。
注文住宅の中でも土間収納は人気がある間取りですが、実際にはどのような空間で採用されているのでしょうか。
そこで今回は、土間収納のアイデア実例をご紹介します。
土間収納のメリット・デメリットや使い勝手を高めるためのポイントも詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
● 広さだけでなく動線や設備、内装材の種類までこだわることで、土間収納の使い勝手が高まります。
● 様々な空間に採用した土間収納のアイデア実例をご紹介しますので、ライフスタイルに合った間取りを取り入れてみましょう。
土間収納とは
土間収納とは、床を土間で仕上げた収納のことです。
土間はコンクリートやタイルで仕上げることが一般的で、耐水性が高くてお手入れもしやすいため、屋外から土足のまま踏み入れることができます。
土間収納におすすめの空間や収納する物などを確認しましょう。
玄関
玄関横に土間収納を採用する方は多いです。
シューズクロークとして靴やアウター、アウトドア用品など様々な物を収納することができます。
土間収納に砂などが溜まっても、玄関ドアから掃き出すことができるため、お手入れも楽々です。
キッチン
キッチン横に土間収納をつくり、パントリーとして活用する事例も多いです。
土間仕上げのパントリーなら、生ゴミなども置きやすいですし、泥の付いた野菜などの保管にも向いています。
勝手口をつければ、土足のまま出入りできるため、家庭菜園をされる方などにも人気の間取りです。
趣味部屋
趣味部屋を土間仕上げにして、一部を収納にするという使い方もあります。
特に、釣りや自転車などアウトドア系の趣味をお持ちの方が、用具管理やメンテナンスのために土間の収納部屋にすることが多いです。
土間にしておけば趣味用品の出し入れもしやすく、お手入れも楽です。
ビルトインガレージ
大型の土間収納をつくり、ビルトインガレージとして車やバイクを保管する方もいます。
また、ビルトインガレージはタイヤや車のメンテナンス用品などを置く、納戸としても活用することが可能です。
土間収納をつくるメリット・デメリット
土間収納をつくるメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
土間収納がある家には、次のようなメリットがあります。
- 土足で入れて外との行き来が楽
- 泥などが落ちても掃除しやすい
- 玄関やキッチンなどが整いやすい
- 屋外・屋内どちらにも置きにくい物を収納できる
- 収納以外にも活用できる
土間収納は、屋外と屋内の中間的なスペースなので、使い勝手の高さが最大の魅力です。
外からそのまま入って荷物を置けますし、多少汚れても気にせず使うことができます。
「外だと防犯面や衛生面が気になるけれど、家に置くと汚れそう」という物の収納にもぴったりな空間です。
デメリット
土間収納がある家のデメリットを確認しましょう。
- 冬に土間収納から冷気が伝わることがある
- 収納する物によっては湿気やニオイ対策が必要
- 広い土間収納をつくると他の空間が圧迫される
土間収納は冬場の底冷えが気になる可能性があるため、扉などで仕切れるようにするなどの対策がおすすめです。
また、食材や靴などを収納するときは、玄関までニオイが充満したり、食材が傷んだりするケースもあります。
個別に換気扇をつけ、湿気やニオイを対策しましょう。
土間収納の使い勝手を高めるポイント
使いやすい土間収納をつくるためのポイントをご紹介します。
土間収納があると便利な位置を考える
まずは、土間収納をどこに配置するのか決めましょう。
土間に収納したら便利な物や室内外の出し入れが多い物などを考えてみると、土間収納を採用すべき場所が絞れてきます。
単独で土間収納をつくるのか、趣味や家事部屋を土間仕上げにして収納としても使うのかなど、明確な用途もイメージしてみてくださいね。
置く物によって土間収納の広さを決める
土間収納に置く物を具体的に考えて、広さを考えましょう。
棚などに収納できるなら、土間収納の床面積は広くなくても縦方向の空間を有効活用できます。
大きくて重い物の場合は収納場所を確保するだけでなく、出し入れのしやすさなどを考えて、配置や出入り口の幅を決めることが大切です。
土間収納の動線を考える
土間収納をつくるなら、どの空間とつなげると便利なのかを検討することがポイントです。
例えば、靴などをしまう土間収納をつくるなら、次のような動線があると便利かもしれません。
- 案①:玄関・土間収納・パントリー・キッチン
- 案②:玄関・土間収納・洗面脱衣所・クローゼット
パントリーやキッチンとつながる動線なら、買い出した荷物を収納するのが楽です。
また、洗面脱衣所やクローゼットとつながっていれば、帰宅後の手洗い・うがい・着替えまでの流れをスムーズに行えます。
暮らしのルーティーンを振り返り、便利な動線を考えてみてくださいね。
棚は可動式だと便利
土間収納に棚をつけるなら、自由に高さ調整ができる「可動式」をおすすめします。
収納する物に合わせて棚をカスタマイズできるため、使い勝手を高めることが可能です。
ただし、重い物を乗せる場合は耐荷重がある「固定棚」を選びましょう。
物入タイプ・ウォークインタイプを使い分ける
土間収納には、収納のみの「物入タイプ」と人が出入りできる「ウォークインタイプ」の2種類があります。
物入れタイプの方が省スペースでつくれますが、ウォークインタイプは物を管理しやすく、奥行きがある荷物なども収納しやすいです。
どちらが適しているかはケースバイケースですので、使い勝手や建物全体の広さのバランスなどを考えながら決めましょう。
必要に応じて設備を採用する
土間収納を採用する場合、収納する物に合わせて次のような設備を取り入れましょう。
- 照明:収納内の物が探しやすい
- 換気:空気を入れ替えてニオイ・湿気対策ができる
- コンセント:家電を充電しながら収納できる
他にも、土間収納を趣味スペースや作業場としても使う場合、洗面台などがあると便利なケースもあります。
使い方をより具体的にイメージして、必要な設備を採用してみてくださいね。
目隠しするなら扉やロールスクリーンを
土間収納を目隠ししたいなら、扉やロールスクリーンの採用をおすすめします。
扉なら、目隠しだけでなくニオイ対策としても効果的です。
来客時だけ土間収納を目隠ししたい場合は、ロールスクリーンの方が開けたときの見た目がすっきりします。
収納の位置や使用頻度などを考えて、目隠しの有無や方法を検討しましょう。
汚れにくくお手入れがしやすい内装材を採用する
土間収納を採用する場合、泥などが付いている物を収納することも多いですよね。
そこで、壁や棚にもお手入れしやすく汚れが目立たない内装材を採用することをおすすめします。
- 壁:防汚性・防水性の高い壁紙やパネル材
- 棚:樹脂製や色付きの棚
土間収納の使い勝手をより高めるために、内装材選びにこだわることがポイントです。
土間収納がある間取りのアイデア実例
使い勝手の良い土間収納がある間取りのアイデア実例をご紹介します。
【玄関】約1畳のコンパクトな土間収納
(施工事例:山梨県笛吹市K様邸 ZERO-CUBE+GARAGE CUSTOM)
玄関横につくった約1畳の土間収納です。
高さを変えられる可動棚を空間の上部まで施工し、スペースを無駄なく活用しました。
【玄関】ベビーカーも入る広々とした土間収納
シューズクロークとして使える広々とした土間収納です。
玄関とフラットにつながるため、ベビーカーなどの出し入れもしやすく、玄関ドアから砂なども掃き出せます。
土間収納の入口部分は下がり天井を採用しているため、ロールスクリーンを後付けすることも可能です。
【玄関】土間収納・パントリー・キッチンがつながる便利な動線
動線にこだわって土間収納を採用した事例です。
玄関・シューズクローク・パントリー・キッチンがつながるため、買い出し後の動きに無駄がありません。
土間仕上げのシューズクロークにはパイプハンガーも採用し、靴だけでなくアウターやカバンも掛けられるようにしました。
【納戸】玄関と屋外から出入りできる土間収納
玄関と屋外からアクセスできる、物置代わりになる便利な土間収納です。
広々としているため、キャンプなどで使う大型のアウトドア用品やゴルフバッグなどのスポーツ用品もたっぷり収納可能です。
コンセントも施工して、充電式のアイテムの保管やメンテナンスもしやすいようにしています。
【納戸】漬物や食材を保管するための土間空間
専用の漬物部屋を土間で仕上げた事例です。
個別の換気扇を採用し、ニオイや湿気対策もしています。
漬物はもちろんのこと、米や野菜、水などの買い溜め品などもまとめて収納できる便利な食品庫です。
【フリースペース】多用途で使える土間収納
様々な用途で使える一室を、土間で仕上げた事例です。
納戸としてはもちろん、コンセントや水栓も完備しているため、趣味部屋やご友人と過ごす空間など幅広い使い方ができます。
大開口の窓からは明るい日差しが入る、居心地の良いぜいたくな空間です。
【ビルトインガレージ】駐車以外にも幅広い用途で使える土間スペース
(施工事例:山梨県笛吹市A様邸 ZRRO-CUBE+BOX+GARAGE)
1台分の車が駐車できるビルトインガレージです。
電動シャッター付きなので、愛車を雨風や盗難から守ることができます。
駐車スペースだけでなく、納戸や庭代わりとしても使える便利な土間空間です。
まとめ
土間収納は、お住まいにあると便利な空間です。
広さや配置などによって使い勝手が大きく異なりますので、しまう物や用途に合わせてどのような土間収納がいいのか考えてみましょう。
また、土間収納の動線や内装材の種類、設備などにもこだわって提案してくれる住宅会社に家づくりを任せることをおすすめします。
私たち“入沢工務店”は、お客様の暮らしに寄り添った住まいづくりをしております。
ライフスタイルに合った土間収納のご提案もお任せください。
これまで培った経験や知識をもとに、デザインや間取りはもちろん、快適性やコストについてもお客様のご要望を叶えられる住まいをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。