
I型リビングは、リビング・ダイニング・キッチンが一直線につながる、シンプルで開放感をつくりやすい間取りです。
対面キッチンを組み合わせれば、料理をしながらダイニングやリビングにいるご家族の様子を見渡しやすく、それぞれが別のことをしていても互いの気配を感じられます。
一方で、I型リビングを検討するなかで、「ソファやダイニングテーブルを置いても狭くならないか」「L字型とどちらが自分たちに合うのか」と迷う方も少なくありません。
今回は、山梨県で家づくりを手がける入沢工務店が、I型リビングのメリット・デメリットと、暮らしやすいレイアウトをつくるコツを施工事例とともに解説します。
ご家族の様子を身近に感じながら、家事・食事・くつろぎの時間を心地よく過ごせるLDKを考える際の参考にしてください。
このコラムで分かること
- I型リビングは、視線が奥まで抜ける開放感が魅力である一方、キッチンの生活感も見えやすい間取りでもあります。
- 窮屈さを防ぐには、帖数だけでなく、家具を置いて椅子を引いた状態でも通れるスペースを確保することが大切です。
- キッチンの手元は腰壁で、家電や食器は扉付き収納で隠すと、LDKのつながりを保ちながら生活感を抑えられます。
Contents
I型リビングとは|LDKが一直線につながる間取り

I型リビングは、くつろぐリビング・食事をするダイニング・調理をするキッチンが一直線につながる間取りです。
同じI型でも、キッチン・ダイニング・リビングの並び方によって、空間の見え方や動線が変わります。
この記事では、キッチンから見たダイニング・リビングの方向を基準に、「縦長型」と「横長型」に分けて紹介します。
なお、I型リビングと似た言葉として挙げられるのが「I型キッチン」です。
I型キッチンは、シンク・作業台・コンロが一列に並ぶキッチンの形を指します。
LDK全体の配置を表す「I型リビング」とは異なるため、混同しないようにしましょう。
縦長型|キッチンの前方向にダイニング・リビングが並ぶ
対面キッチンの場合は、調理する人の正面にダイニング、その奥にリビングを配置するのが一例です。

キッチンからダイニングやリビングへ視線が向くため、料理をしながらご家族の様子を確認しやすくなります。
横長型|キッチンの横方向にダイニング・リビングが並ぶ
横長型は、キッチンから見て横方向にダイニング、リビングが続く配置です。

ダイニングとリビングがキッチンの横方向へ続くため、LDKの横方向への広がりを生かせるのが特徴です。
また、縦長型と比べるとキッチンからリビングを見る方向や人が移動する経路が変わるため、同じI型リビングでも家具の置き方や生活動線まで含めて選ぶことをおすすめします。
L字型LDKとの違いと選び方
I型リビングとL字型LDKの違いは、リビング・ダイニング・キッチンが一直線につながるか、途中で向きを変えてL字状につながるかという点です。
主な違いを比較すると、以下のとおりです。
| 比較項目 | I型リビング | L字型LDK |
|---|---|---|
| L・D・Kの配置 | 一直線につながる | L字状につながる |
| 空間のつながり | LDKに一体感を持たせやすい | 用途ごとに空間を緩やかに分けやすい |
| 見通し | 各空間を直線上で見渡しやすい | 配置によって視線を適度に区切れる |
| 選ぶ際のポイント | LDK全体のつながりを重視したい場合に向いている | 食事とくつろぎの場所を緩やかに分けたい場合に向いている |
家事をしながらリビングやダイニングにいるご家族の様子を感じたい場合は、I型リビングの直線的なつながりを生かせます。
一方で、食事をする場所とソファでくつろぐ場所を緩やかに分けたい場合は、L字型LDKも選択肢になります。
どちらが適しているかは間取りの形だけで決まるものではないため、ご家族の過ごし方や生活動線、置きたい家具まで含めて検討することが大切です。
L字型LDKの具体的なレイアウトについては、以下の記事で実例とともに紹介しています。
▷関連コラム:L字型LDKのレイアウト5種類を実例でご紹介|広く見せる10つのコツも解説
I型リビングのメリット

I型リビングの主なメリットは以下のとおりです。
- 視線が奥まで抜け、開放感をつくりやすい
- 対面キッチンを組み合わせるとご家族の様子を見渡しやすい
視線が奥まで抜け、開放感をつくりやすい
I型リビングは、LDKの端から奥まで視線が抜けやすく、空間の広がりを感じやすい間取りです。
リビング・ダイニング・キッチンが直線的に続くため、間に壁や仕切りが少なければ、それぞれの場所が分断されず、LDK全体に一体感が生まれます。
たとえば、リビングからダイニング、キッチンまで見通せる配置なら、実際の床面積以上に空間の広がりを感じられます。
一方、背の高い収納家具などをLDKの途中に置くと視線が遮られ、同じI型でも空間の感じ方は変わるため、家具の高さや配置にも注意が必要です。
対面キッチンを組み合わせるとご家族の様子を見渡しやすい
I型リビングに対面キッチンを組み合わせると、料理をしながらダイニングやリビングにいるご家族の様子を確認しやすくなります。
キッチンで料理をする、ダイニングで宿題をする、リビングでくつろぐなど、それぞれ別のことをしていても、同じLDKの中で互いの気配を感じられる点がメリットです。
ただし、キッチンから見える範囲は、LDKの並び方やキッチンの向き、壁、家具の位置によって異なるため、図面上でキッチンに立ったときの視線を確認しておきましょう。
I型リビングのデメリットと注意点

I型リビングはLDK全体を見渡しやすい一方で、見通しのよさや直線的な配置が、キッチンの見え方や生活動線に影響することがあります。
また、奥行きのある間取りでは、窓から離れた場所まで自然光が届くか確認することも大切です。
ここでは、I型リビングを計画する際に注意したい3つのポイントを紹介します。
リビングからキッチンの生活感が見えやすい
LDKが一直線に続くI型リビングでは、リビングやダイニングからキッチンの生活感が見えやすくなる場合があります。
視線を遮る壁や仕切りが少ないと、調理台に置いたものだけでなく、キッチン家電や食器類なども視界に入りやすくなります。
普段の暮らしだけでなく、来客時にソファやダイニングへ座った位置からキッチンがどのように見えるかも確認しておきましょう。
キッチンの手元を隠す腰壁や収納を取り入れるなど、見せたい場所と隠したい場所を分ける方法も有効です。
家具の配置によって移動しにくくなることがある
I型リビングは、ソファやダイニングテーブルの配置によって、LDK内の移動しやすさが変わります。
家具が通路側へ張り出すと、移動する際に家具を避けたり、大きく回り込んだりする動きが必要になります。
そのため、家具の大きさだけでなく、椅子を引く・収納を開ける・人の後ろを通るといった動作に必要なスペースまで確認することが大切です。
窓の位置によって奥まで自然光が届きにくい場合がある
奥行きのあるI型リビングでは、窓の位置によって、ダイニングやキッチンまで自然光が届きにくい場合があります。
とくに窓が一方に集中する間取りでは、LDK内でも場所によって明るさの感じ方が変わります。
窓の大きさだけで判断せず、窓とリビング・ダイニング・キッチンの位置関係を確認しておきましょう。
家具や収納、窓をどのように配置するかによって、こうした注意点への対策は変わります。
次章では、I型リビングを快適にする具体的なレイアウトのコツを紹介します。
I型リビングを快適にするレイアウトのコツ

I型リビングを快適にするには、LDKの帖数だけではなく、家具を置いたあとの通路や視線、窓との位置関係まで具体的に考えることが大切です。
同じ広さのI型リビングでも、ソファやダイニングテーブルの大きさ、収納や窓の位置によって、使える空間や感じる広さは変わります。
ここからは、間取りを考える際に確認したいポイントを紹介します。
帖数に加えて横幅・奥行き・家具寸法を確認する
I型リビングの広さを考える際は、「LDK18帖」といった帖数だけで判断せず、横幅・奥行きと置きたい家具の寸法まで確認しましょう。
LDKの帖数にはキッチンやダイニングも含まれるため、同じ18帖でも、リビングとして使える範囲は間取りによって異なります。
また、同じ帖数でも横幅と奥行きのバランスによって、ソファやダイニングテーブル、収納などを配置できる場所が変わります。
そのため、間取りを検討する際は、以下の情報を図面に入れて確認するのがおすすめです。
| 確認対象 | 図面に入れる情報 |
|---|---|
| ソファ | 幅・奥行き |
| ダイニング | テーブル・椅子の寸法 |
| 収納 | 本体の寸法・扉や引き出しを開ける範囲 |
| 出入口 | 扉の動き・家具との位置関係 |
入沢工務店では、家づくりでは単純に面積を広げるのではなく、「使っていない、使う頻度が少ない面積をつくらないこと」を大切にしています。
同じ18帖のLDKでも、窓の位置や大きさ、視線の抜け方、家具の配置、外とのつながりによって、感じる広さは変わります。
この考え方については、代表ブログ「広ければいいわけじゃない」でも詳しくお伝えしています。
そのため、16帖・18帖・20帖といった数字だけで広さを決めるのではなく、何人で過ごすのか、どのような家具を置くのか、LDKでどのように過ごしたいのかから必要な広さを考えることが大切です。
ソファとテレビは見る位置と通路を合わせて決める
ソファとテレビは、「どこから見るか」と「どこを人が通るか」をセットで考えます。
たとえば、ソファを壁に沿わせれば中央に空間を残しやすく、ダイニングに背を向ければ家具によってリビングとダイニングを緩やかに分けられます。
配置を決める際は、以下の3点を確認しましょう。
- ソファの背がLDK内の視線を遮らないか
- テレビの前を人が頻繁に横切らないか
- 窓からの光がテレビ画面に映り込まないか
ダイニングからもテレビを見たい場合は、その視線も含めて配置を検討します。
ダイニングは配膳経路と椅子を引くスペースを確保する
ダイニングテーブルを配置する際は、テーブル本体の寸法だけでなく、椅子を引くスペースや人が通る幅まで確保します。
以下の点を確認しましょう。
- キッチンから料理を運びやすいか
- 椅子を引いても後ろを通れるか
- 収納や出入口と椅子が干渉しないか
- リビングへ移動するときに家具を大きく回り込まないか
必要な通路幅は、ご家族の体格や通る人数、家具の大きさや使い方によって異なります。
そのため、テーブルを置いた状態だけでなく、椅子を引いたときや家族が着席しているときのスペースまで図面上で確認しておきましょう。
腰壁や収納でキッチンの手元・家電を隠す
I型リビングでは、キッチンからご家族を見渡せる視線を残しながら、生活感の出やすい部分だけを隠すこともできます。
たとえば、対面キッチンに腰壁を設けると、リビングやダイニングから調理中の手元が見えにくくなります。
電子レンジや炊飯器、食器類など、生活感が出やすいものは、背面の扉付き収納などにまとめるのもひとつの方法です。
間取りを考える際は、「キッチンからご家族を見る視線」と「リビングや来客席からキッチンを見る視線」の両方を図面上で確認しましょう。
窓の位置とLDKの奥行きから採光を考える
奥行きのあるI型リビングでは、主な窓から離れた場所まで自然光が届くかを確認します。
- 窓とリビング・ダイニング・キッチンの位置関係
- 隣家など周囲の建物
- 家具を配置する壁面と窓の位置
建物全体の計画によっては、高い位置の窓や吹き抜けから自然光を取り入れる方法もあります。
自然光の入り方は時間帯や天候によって変わるため、窓による採光と照明による明るさを分けて計画することが大切です。
ラグ・照明・天井で食事とくつろぎの場所を分ける
一直線につながるI型リビングでも、ラグや照明、天井などを工夫すると、壁で仕切らずにリビングとダイニングを緩やかに区切れます。
たとえば、以下のような方法があります。
- リビングのソファまわりにラグを敷く
- ダイニングの上にペンダントライトを設ける
- リビング部分の天井高や仕上げを変える
- リビングの床に段差を設ける
床を一段下げるダウンフロアリビングも、LDKの一体感を保ちながら、くつろぐ場所を視覚的に分ける方法です。
一方で、場所ごとに色や素材を変えすぎると、LDK全体がまとまりにくくなります。
床・天井・家具などの色や素材に共通点を持たせると、空間を緩やかに分けながら統一感をつくれます。
ダウンフロアリビングの特徴や間取りのポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▷関連コラム:“ダウンフロアリビング”を後悔しないための間取りポイントを解説

LDKの広さやレイアウトで迷っている方は、入沢工務店にご相談ください。
入沢工務店では、ご家族の人数や暮らし方、ご希望を伺いながら間取りをご提案しています。
入沢工務店のI型リビング施工事例

I型リビングは、キッチン・ダイニング・リビングを一直線につなげる基本的な形は同じでも、家具や窓の配置によって空間の使い方が変わります。
ここでは、入沢工務店が手がけたI型リビングの施工事例を紹介します。
事例1|大きな窓と一直線につながるLDK
こちらは、キッチンからダイニング、リビングへと空間がつながり、窓側まで視線が抜ける2階に設けたI型リビングです。
リビングには大きなソファを置きながらも、その横に通路を確保しています。
事例2|大開口に沿ってLDKがつながるI型リビング
キッチンからダイニング、リビングまで一直線に見渡せるI型リビングです。
LDKの側面には大きな開口部が続き、室内から屋外へ視線が広がります。
キッチン・ダイニング・リビングの間に壁を設けず、食事とくつろぎの場所を緩やかに分けています。

事例3|横方向にLDKが続く横長型のI型リビング
こちらは、キッチンの横方向にダイニング・リビングが並ぶ横長型のI型リビングです。
一直線に続くLDKの一体感を保ちながら、横方向への空間の広がりを感じられます。
ダイニング付近の天井に木を取り入れることで、壁で仕切らずに空間へ変化をつけています。

事例4|キッチンの見え方を抑えたI型リビング
こちらは、リビング・ダイニングからキッチンへと空間が続きながら、腰壁によってキッチンの手元を見えにくくした事例です。
リビングからキッチンまでのつながりを保ちつつ、調理スペースがそのまま視界に入りにくいのが特徴です。
I型リビングの「キッチンの生活感が見えやすい」という注意点への対策として、腰壁の取り入れ方を考える際の参考になります。


山梨県の入沢工務店では、I型リビングを含むさまざまな施工事例を掲載しています。
理想の住まいづくりの参考にぜひご覧ください。
I型リビングに関するよくある質問

最後に、I型リビングを検討する際によくある質問に回答します。
Q. I型リビングは冷暖房効率が悪くなりませんか?
A. I型リビングであることが原因で冷暖房が効きにくくなるとは、一概にいえません。
冷暖房の効き方には、LDKの広さや天井高、住宅の断熱性能、窓の大きさや位置、階段など隣接する空間とのつながり、空調設備の配置などが関係します。
そのため、I型という間取りの形だけではなく、LDKを含めた建物全体の条件から空調計画を考えることが大切です。
採光や開放感を目的に吹き抜けを取り入れる場合も、吹き抜けの計画とあわせて冷暖房設備の位置などを検討しましょう。
Q. 壁付けキッチンでもI型リビングになりますか?
A. 壁付けキッチンでも、リビング・ダイニング・キッチンが直線的に並ぶ配置であれば、I型リビングとして考えられます。
I型リビングはLDK全体の並び方を表すもので、対面キッチンでなければならないわけではありません。
壁付けキッチンを採用する場合は、調理スペースとダイニング・リビングの位置関係を確認し、家事動線や家具を置いたあとの通路まで含めて計画しましょう。
まとめ
今回は、I型リビングのメリット・デメリットと、暮らしやすいレイアウトをつくるコツについて解説しました。
I型リビングを計画する際は、16帖・18帖といった広さだけでなく、置きたい家具の寸法や通路、窓の位置まで合わせて考えることが大切です。
ご家族がLDKでどのように過ごしたいのかを整理し、家事・食事・くつろぎの時間に合った配置を検討しましょう。
今回の内容が、ご家族にとって心地よい住まいづくりの参考になれば幸いです。

間取りやLDKのレイアウトで迷っている方は、入沢工務店にお気軽にご相談ください。
入沢工務店では、ご家族の人数や生活スタイル、ご希望の暮らし方を伺いながら、一邸一邸の家づくりをご提案しています。



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