無理なく返せる住宅ローンの借入額で家を建てられたら理想的ですよね。
マイホームは建てることがゴールではなく、その後の暮らしを豊かにすることが大切なため、予算オーバーな家づくりでは後悔するかもしれません。
そこで今回は、無理なく返せる住宅ローンの借入額と月々の返済額を年収別にシミュレーションします。
借入額を考える際のポイントもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
このコラムのポイント |
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● 無理なく返せる住宅ローンの借入額は「年収倍率」と「返済負担率」をもとにして考えることが多いです。
● 返済負担率を20%程度に設定して借入額を検討すると、無理なく住宅ローンを返済できると言われています。 ● 同じ年収でもご家庭によって支出や負担に感じる額は異なるため、ライフスタイルに合った資金計画を提案してくれるような住宅会社に相談することをおすすめします。 |
「無理なく返せる住宅ローンの借入額を知りたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
無理なく返せる住宅ローンの借入額
無理なく返せる住宅ローンの借入額についてご紹介します。
年収倍率は6~7倍が一般的
住宅ローンの借入額を決める際に、ひとつの基準となるのが年収です。
一般的には年収の6~7倍が住宅ローンの借入額の目安と言われています。
では実際に、国土交通省が実施した「令和5年度 住宅市場動向調査」のデータをもとに、注文住宅を建築した方の年収と借入額の平均を確認してみましょう。
まずは年代別の平均世帯年収をご紹介します。
平均世帯年収 | 回答が最も多かった年収帯 | |
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30代以下 | 746万円 | 400万円以上600万円未満 |
40代 | 946万円 | 600万円以上800万円未満 |
50代 | 943万円 | 600万円以上800万円未満 |
60代以上 | 763万円 | 400万円未満 |
ご紹介している平均世帯年収は、住宅を初めて取得した「一次取得者」を対象としたデータです。
平均世帯年収は700万円~900万円台ですが、実際には400~800万円台の世帯年収のご家庭が多いことが分かります。
続いて、住宅建築と土地購入に関する費用の内訳をご紹介します。
総額 | 5,811万円 |
借入額 | 4,126万円 |
自己資金 | 1,685万円 |
家づくりにかかる総額に対して、2/3を住宅ローンで借入し、残りの1/3を自己資金で支払っていることが分かります。
ここまでのデータを参考に、注文住宅を建築した方の年収倍率を確認しましょう。
平均世帯年収 | 年収倍率 | |
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30代以下 | 746万円 | 約5.5倍 |
40代 | 946万円 | 約4.3倍 |
50代 | 943万円 | 約4.3倍 |
60代以上 | 763万円 | 約5.4倍 |
※計算式:借入額4,126万円÷各世代の平均世帯年収
平均すると年収の4.3~5.5倍の住宅ローンを組んでいる方が多いという結果になりました。
ただし「回答が最も多かった年収帯」は平均世帯年収よりも低いため、実際にはもう少し高い年収倍率で借りている方がいることも想定されます。
そのため、「年収の6~7倍の住宅ローンを借りるのが一般的」という考え方はあながち間違いではありません。
また、年収の5倍程度の借入額なら無理なく返済できる現実的なラインと考えることができます。
参考:住宅市場動向調査 年度次 2023年度 | 政府統計の総合窓口
返済負担率の20%前後だと安心
年収をもとにした借入額の目安は、返済負担率でも判断できます。
- 返済負担率:年収に占める年間の返済額の割合
例えば、年収500万円の方が年間100万円の住宅ローンを返済していた場合、返済負担率は20%になります。
返済負担率は、金融機関の住宅ローン審査でも1つの判断指標として使われることが多いです。
では、どのくらいの返済負担率の方が多いのかデータで確認しましょう。
国土交通省が実施した「令和5年度 住宅市場動向調査」によると、住宅ローンを借入して注文住宅を建てた方の返済負担率は以下のような結果でした。
- 返済負担率の平均:19.4%
参考:住宅市場動向調査 年度次 2023年度 | 政府統計の総合窓口
また、住宅金融支援機構が実施した「2023年度 フラット35利用者調査」では、次のようなデータもあります。
注文住宅 | 土地付き注文住宅 | |
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全国 | 23.1% | 26.4% |
山梨県 | 21.2% | 25.0% |
土地付き注文住宅とは、土地も購入した上で家を建てている方のデータです。
10%後半から20%台の返済負担率の借入をしている方が多いことが分かります。
金融機関では25~35%程度の返済負担率を借入額の目安としているケースが多いですが、これは借入可能額であり無理なく返せる額とは異なります。
余裕を持った返済をしたいなら返済負担率を20%前後に設定しておくと安心です。
山梨・甲府で「家を建てたいけど、無理なく住宅ローンを返済できるか不安」とお悩みの方は、入沢工務店へお問い合わせください。
資金計画や住宅ローン選びなど、費用面もしっかりとサポートいたします。
無理なく返せる住宅ローンの借入額と返済シミュレーション
それぞれの年収で無理なく返せる住宅ローンの借入額と月々の返済額を確認しましょう。
シミュレーションの条件は次の通りです。
- 返済負担率:20.0%
- 変動金利:1.0%
- 固定金利:2.0%
- 借入期間:35年
- 元利均等返済
年収倍率の考え方では金利によって大きく返済額に差が付いてしまい、現実的なシミュレーションにならないため、今回は返済負担率をもとにして検討します。
年収500万円の場合
年収500万円と想定した場合、無理なく返せる住宅ローンの借入額と返済額をシミュレーションします。
借入額 | 月々の返済額 | |
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返済負担率20% (変動金利1%) |
2,960万円 | 83,556円 |
返済負担率20% (固定金利2%) |
2,520万円 | 円 |
年収500万円の方の場合、借入額は2,500~3,000万円程度、返済額は8万円台前半が目安という結果でした。
▷関連コラム:家賃8万円の賃貸・マイホームもったいないのはどちら|手取りと家賃のバランス、家を買える年収など解説
年収600万円の場合
年収600万円と想定したときの無理なく返せる住宅ローンの借入額と返済額をご紹介します。
借入額 | 月々の返済額 | |
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返済負担率20% (変動金利1%) |
3,550万円 | 円 |
返済負担率20% (固定金利2%) |
3,020万円 | 円 |
年収600万円の方の場合、借入額は3,000~3,500万円程度、返済額は10万円前後が目安という結果でした。
年収700万円の場合
年収700万円と想定した場合、無理なく返せる住宅ローンの借入額の目安と返済額は次の通りです。
借入額 | 月々の返済額 | |
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返済負担率20% (変動金利1%) |
4,140万円 | 円 |
返済負担率20% (固定金利2%) |
3,530万円 | 円 |
年収700万円の方の場合、借入額は3,500~4,100万円程度、返済額は11万円台後半が目安です。
年収800万円の場合
年収800万円と想定した場合の無理なく返せる住宅ローンの借入額と返済額をご紹介します。
借入額 | 月々の返済額 | |
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返済負担率20% (変動金利1%) |
4,730万円 | 円 |
返済負担率20% (固定金利2%) |
4,030万円 | 円 |
年収800万円の方の場合、借入額は4,000~3,700万円台、返済額は13万円台が目安という結果でした。
山梨・甲府で「自分に合った借入額や返済額を知りたい」とお悩みの方は、入沢工務店へお問い合わせください。
費用に関する情報をお伺いしたうえで、お客様に合った資金計画をご提案いたします。
無理のない借入額を決める7つのポイント
無理のない住宅ローンの借入額を決める際に意識すべきポイントをご紹介します。
①将来のライフイベントを見据えて借入額を決める
将来のライフイベントを見据えて借入額を決めることが大切です。
現時点では無理のない返済額だと考えていても、次のようなイベントがあるタイミングでは負担になる可能性があります。
- ご家族が増える
- 車の購入
- 長期的な旅行
- お子さまの進学
- ペットなどを迎え入れる
他にもご家族によって様々なライフイベントがありますよね。
それらのイベントに対応できるよう、住宅ローンを返済しながらしっかりと貯蓄できるような借入額を検討することが大切です。
②ご自身に合った金利プランを選ぶ
同じ借入額だとしても、金利によって月々の負担は大きく変わるため、ご自身に合った金利プランを選ぶことが大切です。
現在の住宅ローンでは、変動金利と固定金利で1%以上の差が付くケースも珍しくありません。
仮に、4,000万円を35年で借入すると、金利によって返済額は次のように変わります。
- 変動金利1%:月々112,914円
- 固定金利2%:月々円
変動金利の方が金利が低いため返済の負担を軽減できますが、経済情勢によって金利が上昇するリスクがあります。
反対に、全期間固定金利は変動金利と比べて負担が大きくなりますが、返済額がずっと変わらない安心感が魅力です。
住宅会社や金融機関の担当者に相談しながら、ご自身の考え方に合う金利プランを選んでみてくださいね。
▷関連コラム:【初心者向け】住宅ローンの固定と変動の特徴やおすすめの人の条件
③返済期間によって返済額は調整できる
住宅ローンは、返済期間によっても月々の返済額が変わります。
仮に、4,000万円を金利1%で借入すると、借入期間によって返済額は次のように変わります。
- 30年:月々円
- 35年:月々円
年数が短い方が返済額の負担が大きいですが、早く完済が終わりますし、総返済額も少なくなります。
反対に、年数が長いほど月々の負担を減らすことができますが、総利息額が高いです。
月々の返済額と完済時の年齢などを踏まえて、最適な返済期間を考えましょう。
④万が一の事態を考えて頭金を決める
頭金を多く出すことで、住宅ローンの借入額を減らして返済の負担を軽減できます。
しかし、貯蓄のすべてを頭金に充ててしまうと万が一の際に対応できないため、最低でも預貯金として3~6ヵ月分の生活費を残しておくと安心です。
また、家具・家電の購入費用や引っ越し代など現金で支払う費用もありますので、それらを踏まえて頭金の額を検討することをおすすめします。
⑤住宅ローン減税や売電収入は考慮しない方が確実
住宅ローンの返済額を考える際には、住宅ローン減税や売電収入を返済の前提にしないことが望ましいです。
住宅ローン減税はローンの返済期間より短く、控除されるのはあくまで所得税や住民税の一部であり、月々の返済額に直接影響するものではありません。
また、太陽光発電による売電収入もシミュレーション通りに得られるとは限らず、売電価格には10~15年といった期限もあります。
こうした収入に頼りすぎていると、返済が始まってから計画とのズレを感じる可能性もあるため、固定資産税や光熱費をカバーするなどの補助的なものと捉えておくと安心です。
⑥ご夫婦の世帯年収で審査してもらう方法もある
住宅ローンには、ご夫婦の世帯年収で審査してもらう方法もあります。
- 連帯保証(収入合算):どちらかが債務者になり、もう一方が連帯保証人になる
- 連帯債務:どちらかが主債務者になり、もう一方が連帯債務者になる
- ペアローン:別々のローンを組み、お互いが連帯保証人になる
共働きの場合、世帯年収で審査してもらった方が、より多くの額を借りられるケースがあります。
ご夫婦の年収を合わせて無理のない返済額を検討することも1つの方法です。
▷関連コラム:共働きの住宅ローン|ペアローンと収入合算のメリット・デメリット
⑦繰上返済も想定する
住宅ローンは、まとまったお金を返済する「繰上返済」を利用できます。
残額を一括返済する方法以外に、一部だけ繰上返済することも可能です。
余裕のある借入額で住宅ローンを組んで計画的に貯蓄をしておき、後々繰上返済を活用することで返済期間や月々の返済額を減らし、負担を軽減することもできます。
資金計画から丁寧にサポートしてくれる住宅会社がおすすめ
無理のない家づくりをしたいなら、資金計画から丁寧にサポートしてくれる住宅会社がおすすめです。
どんなに良い建物を提案してくれる会社でも、予算と大きくかけ離れていては、住んでからの負担が大きくなってしまいます。
ご家族に合った資金や暮らしについて考え、住宅ローンの選び方や借入額を提案してくれるような会社に、家づくりを任せられると安心です。
マイホームでおいしい物を食べたり趣味を楽しんだりする余裕を持てるように、入居後の暮らしまで見据えた資金計画を立ててくれるような住宅会社を選びましょう。
山梨・甲府で「無理なく返せる住宅ローンの借入額で家づくりをしたい」とお考えの方は、入沢工務店へお問い合わせください。
資金計画に合わせて、お客様のライフスタイルに合ったこだわりの住まいをご提案いたします。
まとめ
年収別に無理なく返せる住宅ローンの借入額についてご紹介しました。
今回ご紹介した借入額や返済額はあくまで目安であり、ご家族の毎月の収支や想定できるライフイベントによって、適切な金額は異なります。
お客様の暮らしに寄り添った資金計画を立ててくれるような住宅会社に相談し、無理のない家づくりを進めましょう。